子どもに自己顕示欲はどうよ(その2)<本当は怖いドラえもん>
<ヒーローに憧れて>
さて、みなさんのご幼少のころ、誰もがテレビやマンガのヒーローに少なからず憧れることがあったことだろう。
ここではそんな願望をあえて自己顕示欲と結び付けキャラクターごとに述べたい。
のび太くんの場合『フクロマンスーツ』
テレビで人気のヒーローにあこがれてドラえもんに“フクロマンスーツ”を出してもらうが、いざ活躍しようにも、やること為すことドジばかり。
後に謎の怪人フクロマンと近所の噂になったそうな。
~これはまあ「柄でもないことを」といった類いの話で、まあいわゆるお約束ということで。
スネ夫の場合『エスパースネ夫』
ある日、のび太くんが10円玉をテレキネシスで動かそうとしたところ、スネ夫が「エスパーなんていない」と散々からかわれたのを仕返ししようと透明マントでスネ夫ん家へと忍び込み周りの物を持ち上げてはスネ夫自身に自分はエスパーだと思いこませた。それで実際みんなにそれを見せようとしたところ、結局物が持ち上がるはずもなく、赤っ恥をかいたそうな。
~これはいつもの仕返し話ということで、
そもそもスネ夫といえば何かにつけいっつも自慢ばかりしていて、のび太くんもその鼻をあかそうとしたりできなかったりと、ここではスネ夫の自己顕示欲をくすぐって見事に仕返しが決まった一例ということで。
お次は続けて2本、
ジャイアンの場合『スーパーマンになるマント』
ジャイアンの乱暴にいっつも悩まされているのび太くんはドラえもんにスーパーマンになるマントを出してもらい、どうせならジャイアンに活躍させようと、おだててマントをつけさせる。そして近所の子供たちにジャイアンを呼び寄せる笛を配って回り、その呼びかけに応じてジャイアンはいろいろ活躍するのだが、なにせ食事時や入浴時にも呼び寄せられる始末。しかも一度つけたら100回活躍しないと脱げないという代物だったのだ。
しずかちゃんの場合『魔女っ子しずかちゃん』
ある日テレビ番組の魔女っ子にあこがれたしずかちゃんは、のび太くんに魔女っ子気分を味わいたいと頼み込む。
そこでドラえもんの力を借りることになり、ドラえもんも困惑しつつもとりあえず秘密道具を貸してやることにし、それで困っている子たちを助けて回ったのだが、あまりに帰りが遅くなったので家に入れてもらえなくなり、今度はしずかちゃんが困ってしまったそうな。
~まあジャイアンとしずかちゃんの場合は(ジャイアンは半ばはめられたのだが)、次の一言が当てはまる。
曰く「大いなる力には責任が伴う」と。
そう、スパイダーマンにて主人公のピーターを育ててくれたおじが諌めた言葉である。その言葉から『エスパー魔美』や短編の『ウルトラスーパーデラックスマン』などに活かされたのはご存じのとおり。
こればかりは編者も素直に肯定するもので、まあ多少の誇張は認めるけれど。
何かを為すことにはそれなりの責任を持たなければいけないということで、たまにはそのことに思い致してほしい、ということで。
ともかくも、これらに共通することはヒーローに憧れたばかりに最後には失敗するということだけれども、これはまあお約束ということで。まあ付け加えて「なまじ普通の人間がヒーローのユメを持てばロクなことがない」と評するのは酷だし第一ユメもチボーもない。だいたい、大長編では結構みんなヒーローばりに大活躍しているじゃないですか。
<この世で最も卑しいこと>
あとおまけとして、自己顕示欲からくる、人を比較したりこき下ろしたりすることの愚を描いた作品で締めたいと思います。
『僕よりダメなやつがきた』
ある日、多目くんという子が転校してきた。その子はのび太くんより出来が悪く、それに気を良くしたのび太くんはいろいろと自分と比較しては優越感にひたる。後日ジャイアンたちに野球の試合に引っ張られそうになると、代わりに多目くんを立てたりもした。
そこでドラえもんは“配役入れ替えビデオ”を出して先日ののび太くんの行いをスネ夫と入れ替えて教え諭す。
こうして野球に負けたことを責められる多目くんをかばうのであった。
これは「人を羨んだりこき下ろしたりするのは恥ずべきこと」という話ということで、素直に評するに、途中ドラえもんが諌めたとはいえ、結局のび太くんは人を出し抜いたり羨んだりは出来ない性格だったなあということで。そういうのはスネ夫だけで十分だ、っても、ちょっと違うけど。
まあ最後のエピソードは、後にその多目くんが引っ越すに際し、自分に親身になってくれたのび太くんを本当の友達と言い残したそうな。
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